2010年9月29日水曜日

突っ込みやすくなったかな

そう言えば、アクセシビリティがでた当初は、下手に書いて「出来てないじゃないか」とか言われたら困るから「ガイドラインを載せない」「アクセシビリティに対応しています」とかをサイトに書かない、なんて言う所があった。

逆に、良く理解もしてないのに「アクセシビリティ対応」とか「JISに準拠させます」なんて言う制作業者が現れたりしたっけ。

今回は、良く理解していない制作会社は簡単に「JISに準拠します」なんて事が言えなくなるし、指摘するのも根拠をハッキリ示せるので、この面では良いのかも知れない。

他にもアクセシビリティに対応しようとしているCMSの状況はどうなるのか。少し心配。

2010年9月28日火曜日

戸惑い

新しいJIS規格が出た事によって、2004年の「ガイドライン」から2010年の「達成基準」へ移行した訳だが、どちらかと言えば広める為の旧JISから、曖昧さを取り払ってどうすれば達成したと言えるのかハッキリさせたのが新JISと言えるだろう。

今まで曖昧さが有ったから、ある意味アクセシビリティに取り組めていたのが、細かい実装方法や検証方法がハッキリした事によって、新しいJISをどう位置づければ良いのか?。今後、サイトにどう対応させようか模索しているのかも知れない。

私自身も「新しいJISにどう向かい合えば良いのか?」、「本当に対応出来るのだろうか」と思うのだから、みんなもきっと同じような戸惑いがあるのかも知れない。

とは言っても、取りあえず新しいJISを教えていく立場のハマちゃんとしては、何とかしなければならない(^^;)冷や汗タラー

2010年9月22日水曜日

うかつに返事は出来ないぞ

最近、ある地方自治体のサイトリニューアルに当たって、受注の仕様書にJIS規格「AA」に準拠すること、と書いてあると聞いた。

発注側は簡単にAAに準拠と言うが、こんな大きなサイトの中にはどんなページが存在しているか解ったもんじゃないのに、うかつに「準拠します」なんて返事をしてしまうと、後で偉い目に遭うと思うなー。

JISの内容をよく解っていない発注者に、例えばこういうページは「レベルA」に準拠するだけでも、こういう対応が必要で「時間と費用がかかります」と、きちっと説明できるだけの知識が必要だし、担当者もただ言うだけでなく、ちゃんと準拠しているか確認できる程度の勉強が必要だと思うな。

準拠しろと言うからには、技術的な事は別としても、例えばALT属性(画像の代替情報)位は、自分でも「ここはおかしい、こう直すべきなのでは」位の知識があっても良いと思う。と言うより、画像の意味を一番理解している担当者がALT属性に何を入れるのかを書いて作成者に渡す事が出来れば、お互いにメリットがあると思うのだが……。

でも、そんな事を言うと、きっと「こっちは、その為にお金払ってるんだから、それ位の苦労はしろよ」と言われそうだ。とは言っても「そのお金は身銭じゃないだろ……」とも言いたくはなるかなm(-_-)mゴメン

2010年9月21日火曜日

けなしていないよ

色々書いているけれど、決して新しいJIS規格がダメだとか解りにくいと言う事ではないですよ。

新しいJIS規格をフォローしている「ウェブアクセシビリティ基盤委員会」のサイトには、事細かく書かれているので、今までアクセシビリティに配慮する作成をしていた人なら、良く読めば理解は出来るとは思います。

翻訳なのと、様々な場面を想定して書かれているので、多少理解しにくい部分はあるけど……。
まあ、中卒のハマちゃんでも何とか解るのだから、これを見ている人ならきっと大丈夫でしょ(^_^)ニコニコ

見ると、ものすごく一杯書かれているので、「わー大変だ」と思うかも知れません。ただ、まだレベルA全部を書き出してはいないけど、通常使われないような項目もあるので、特別な事はしていない様なサイトではそれ程多くはならないかも知れません。

Java ScriptやFlashなど、通常のHTML以外を使う時が出てきたら「その箇所を重点的に読めばいい」と言う位に考えれば、少しは気が楽になると思いますよ。

2010年9月19日日曜日

不思議な現象

ハマちゃんの画像のALT属性の話しが「ハーモニーblog」で紹介されていた。
この中で「家系図の倉庫」が紹介されていたが、確かに名前だけのALT属性だけでは解らないし、これをテキストで説明する事は難しいし、また出来たとしても音声で理解する事はかなり困難だと思う。

それよりも驚いたのが、縦横のスクロールバーが見えないのだ。他にも、縦スクロールに追従する広告?みたいなものが有るのだが、殆どが隠れて見る事が出来ない。

見れば解るものなのに何故気がつかないのか?
これは、作成者などが見ているブラウザの違いなのかも知れないと思って調べてみた。
ハマちゃんがメインで使っているのは「Internet Explorer 7」だが、「Firefox 3.6.10」「Netscape 7.1」で見るとスクロールバーはちゃんと見えている。また、広告みたいなものは見えない。
なるほどとは思ったが、IEでチェックしていないというのも変だし、おかしな事にIEの方が色や見出しに加工があって見やすいというのは何なんだろう。不思議だ。

2010年9月18日土曜日

レベルAでも大変だ!(3)

代替テキストを提供するだけでも、かなり大変なのに、例えば一部に映像みたいなものが有ったら、視覚障害・聴覚障害のために「音声」「字幕」「状況説明の音声」「状況説明のテキスト」が必要になる。

状況説明というのは、メイン以外の周りで起こっている情報の事で、例えば「窓がそっと開く。風でカーテンが揺れて、覆面をした男が入ってくる……」などの情報の事です。

それ以外にも、一時停止や停止、音量の調整、を視覚障害者でもコントロールできる必要がある。
これらが出来なければレベルAに準拠したとは言えなくなる。

そうなると、作成者は「こんなに苦労して作っても、レベルAさえ付ける事が出来ないなら、やっても無駄じゃない?。だって、やっていると言う形が見えなくて解ってもらえないじゃん。」

なんて言う事にならないと良いのだが……。

2010年9月17日金曜日

レベルAでも大変だ!(2)

2004年版のJIS規格でも
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5.4 非テキスト情報 非テキスト情報は,次による。
a) 画像には,利用者が画像の内容を的確に理解できるようにテキストなどの代替情報を提供しなければならない。

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となっているので、画像には内容が理解できるだけのALT属性などを付ける必要はあった。

例えば、今までハマちゃんが扱ったもので見ると

ALT属性には「下宿 1万円台35.2%、2万円台48.1%、3万円台14.8%、4万円台1.9%、5万円台0%アパート 1万円台0%、2万円台0.4%、3万円台44.5%、4万円台47.8%、5万円台7.3%」と言うように入れた。
これは、単に数値を書けばいいので、それ程面倒という事はない。

しかし、こんなのはどうだろう


ALT属性には「画像:研究プロジェクト関係図」と入れて、下に隠し文字で「関係図説明:3つの班「課題解決研究班」「ジェロ・テクノロジー研究班」「基盤研究班」が相互に協力して研究プロジェクトを進めています」というように入れたが、図の内容すべてを説明する事は出来ていない。しかし、ハマちゃんには時間的にも能力的にも無理でした。

何処まで書けば、準拠といえるかは作成者などの判断に任せられているとは思うが、新しい規格全体を眺めていると、完璧に近く書かないと準拠とは言えない気持ちになってくる。

2010年9月15日水曜日

レベルAでも大変だ!(1)

前回の続きだが、委員会では目標はあくまでも「レベルAA」と言うだろうが、本音を言えば、まず目標は「レベルA」としか言えない気がする。それが出来たら、出来る所から「レベルAA」の項目を入れていくという事になるのだろう。

10月21日に行われる「改正版 JIS X 8341-3:2010の「レベルA」を正しく実装するための初級トレーニング講座」(早割は、9月17日(金) 20時までだよ)の講師をするに当たって、ウェブアクセシビリティ基盤委員会にある「実装チェックリスト」のデータを読んでまとめているのだが、何でレベルAに対応する事がこんなに多いんだろうと感じる。

例えば、最初の「7.1.1.1 非テキスト要素に関する達成基準」レベルAに対応するだけでも、単に画像にALT属性を付けるだけではない。グラフや図があれば「同等の情報を提供する」と言う事になり、代替テキストにかかる手間は膨大になることは、実際に作成しているハマちゃんには容易に想像できる。

2010年9月13日月曜日

トーンダウン

だいぶ前に新しいJIS規格では、どの当たりを落とし所にしたら良いのかと聞かれた事があったので、改正原案が出た最初の頃はオモテのサイトでは、
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まずは、等級「AA」を目標にして、等級「A」に対応した上で、等級「AA」のできる部分を取り入れるというあたりが妥当線だと思われます。
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と言うように書いていたが、改正後、実際に実装方法を調べ出すうちに、これは無理かも知れないと思うようになって
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まずは「レベルA」に対応した上で、「レベルAA」のできる部分を取り入れるというあたりが妥当だと思われます。
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と言うように目標という言葉を抜いてトーンを変えた。

適応するサイトがどの様なものにもよるが、最新技術を使わないサイトでも、ある程度の情報量があるサイトならこうなるような気がする。

2010年9月11日土曜日

解りにくくなったなー

最初に改正版のJIS原案を見た時は「わーー、解りにくい」というのが実感だった。

 中卒とはいえ、曲がりなりにもこの世界に入って10年になるが、その私が思わず「こりゃ大変だ」と思うという事は、普通の人にとっては、もっとだったと思う。

私がJISを作った時には、まだまだ認知されていなかったアクセシビリティを、本当に困っている人の為に一歩でも進めばとの思いで「とにかく作る時に何をすればいいのか」と言う作成方法を中心に考えて、少しアバウトでも進むキッカケにしたいと思いだった。

想いは、この6年で少しは進んできたとは思っている。改正版が出て、明確化された事によって、確かにJIS準拠する事で差別化は図れるとは思うが、準拠させるための時間やコストが増す事は避けられない。

テキスト中心のサイトならば何とかできるが、新しい技術を使ったアトラクティブなものが増えてきている最近の動向を考えると、「う~~ん」とため息が出そうだ。

制作者は、これまでも上司からは、アクセシビリティに配慮して、「そんな事にお金や時間を使って、いくら売り上げが上がるんだ!」「実際に障害者がどれだけ使っているんだ!」「障害者に下手に関わると面倒だからやめとけ!」等々。ましてやこの経済不況の時に、厳格になった改訂版のJIS規格が本当にアクセシビリティを進める事になるのか?。かえって阻害してしまうのではないかと考えてしまう。